子の親権・連れ去り/家庭内暴力(DV)問題について
令和3年10月6日
子の親権・連れ去り問題とハーグ条約
近年、海外での結婚生活等における困難に直面し,いずれかの親が,もう一方の親の同意なしに子どもを母国に連れ去るケースが発生しています。こうしたケースは,居住地の法律やハーグ条約に違反し,問題となる可能性がありますので,困難が生じた際は適切な機関・専門家への相談を検討してください。
例えば,米国に住んでいる日本人の親が,他方の親の同意を得ないで子どもを日本に一方的に連れて帰ると,たとえ実の親であっても米国の刑法に違反することとなり,再渡米した際に犯罪被疑者として逮捕される場合があります。また,ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される場合もあります。
子どもを日本に連れて帰る際には,こうした事情に注意する必要があります。具体的な事案については,適切な相談機関・団体または専門の弁護士に相談されることをお勧めします。
この条約の締約国は、他の締約国に不法に子を連れ去られたとの監護権者からの申立てを受けて、子が元々居住していた国に迅速に返還されるようにするための措置をとる義務を負います。親権をめぐる父母間の争い等は、子の返還後に、子が元々居住していた国の裁判所において決着することが想定されます。
何が問題なのかか?
米国の国内法(刑法)では,父母のいずれもが親権(監護権)を有する場合,または離婚後も子どもの親権を共同で有する場合,一方の親が他方の親の同意を得ずに子どもを連れ去る行為は重大な犯罪(実子誘拐罪)とされています。また、州法により別途規定がある場合もあります。例えば,米国に住んでいる日本人の親が,他方の親の同意を得ないで子どもを日本に一方的に連れて帰ると,たとえ実の親であっても米国の刑法に違反することとなり,再渡米した際に犯罪被疑者として逮捕される場合があります。また,ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される場合もあります。
子どもを日本に連れて帰る際には,こうした事情に注意する必要があります。具体的な事案については,適切な相談機関・団体または専門の弁護士に相談されることをお勧めします。
ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)とは
1980年に採択された「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(ハーグ条約)は、国境を越えた子どもの不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして、子どもを元の居住国に返還するための手続や国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約です。日本は2014年4月に締約国となり、外務省(日本の中央当局)が関連の申請受付や関係機関の紹介等を行っています。国際結婚・離婚に伴う子どもの連れ去り等に限らず、日本人同士の場合も対象となります。この条約の締約国は、他の締約国に不法に子を連れ去られたとの監護権者からの申立てを受けて、子が元々居住していた国に迅速に返還されるようにするための措置をとる義務を負います。親権をめぐる父母間の争い等は、子の返還後に、子が元々居住していた国の裁判所において決着することが想定されます。
家庭内暴力(DV)等の家庭内問題について
米国には,家庭内暴力(DV)を含め,家庭の問題に対応する相談機関・団体が多くあり,シェルター,カウンセリング,弁護士の紹介や法律相談等の活動を行っています。
これらの機関の中には、日本語での利用が可能な機関もあります。仮に日本語利用可能な機関が近くになくても、他州からの相談に応じたり、適当な機関の紹介が可能な場合もあります。問題の兆候が見え始めたら、早めに関係機関に相談することをお勧めします。
これらの機関の中には、日本語での利用が可能な機関もあります。仮に日本語利用可能な機関が近くになくても、他州からの相談に応じたり、適当な機関の紹介が可能な場合もあります。問題の兆候が見え始めたら、早めに関係機関に相談することをお勧めします。